<1階、鞍馬山自然科学博物苑展示室>
鞍馬山一帯は歴史風土保存地区、鳥獣保護区に指定され、
鞍馬寺では山内全域を鞍馬山自然科学博物苑と名づけ、大切に守りついできました。
鞍馬山の地層は、約2億5、6千年前(古代ペルム紀)の輝緑凝灰岩や石灰岩やプレートの上の噴出物やサンゴ礁がその前身で、そこに約7千万年前(白亜紀)にマグマが貫入して、庭石として珍重される鞍馬石や本鞍馬などの火成岩が生まれました。
鞍馬山の岩盤が固く、地下に根を張れない木の根が地表を這う木の根道や、人手が加わっていない自然林が安定した形になる極相林などの独特の景観が見られます。
また、このような複雑な地質に裏日本の気候と表日本の気候が入り混じって千種近くの植物が茂っています。
日本での第一発見地が鞍馬山であったり、「クラマ」と名づけられた種に、「ニシキマイマイ(陸産貝)」「クラマノジャガイモタケ(きのこ)」、「アカイカタケ(きのこ)」、「クラマゴケ(しだ)」、「クラマトガリバ(蛾)」などがあり、鞍馬山の自然の豊かさを象徴しています。
冬 寒さをこらえるウソ

冬 寒さをこらえるウソ

樹洞からのぞくムササビ、
   木から木へ飛ぶことから天狗説が生まれた

樹洞からのぞくムササビ、木から木へ飛ぶことから天狗説が生まれた
アカイカタケ
アカイカタケ
ニシキマイマイ
ニシキマイマイ
<2階、寺宝展観室>
鞍馬寺所蔵の絵画・書・工芸・考古遺物等や、かつて開催された特別展のパネルの一部を常設展示しています。

「百の義経」展の会場風景

「百の義経」展の会場風景

鞍馬の火祭の「資料展示」

鞍馬の火祭の「資料展示」
<2階、與謝野記念室>
與謝野寛・晶子夫妻が先代管長信樂香雲の歌の師という縁から、 両先生が度々、鞍馬寺に来山され、鞍馬を題材にした多くの歌を詠まれました。また、晶子先生の現代語訳『源氏物語』の原稿をはじめとし、多くのゆかりの品々が鞍馬寺に寄贈されたので、記念室を開設し、展観しています。
霊宝殿(鞍馬山博物館)の前庭に與謝野晶子先生の書斎「冬柏亭」が移築されています。
與謝野晶子の書斎を再現 机・飾り棚・自筆百首歌屏風

與謝野晶子の書斎を再現 机・飾り棚・自筆百首歌屏風

<3階、仏像奉安室>
仏像は、貴重な美術品であり、鑑賞の対象ですが、それだけでは、語り尽せません。仏像は、信仰の対象であり、命がけで護ってきた人々の存在なしに、遥かな時空を越えて、我々が古仏を拝顔することは叶いません。都会の喧騒忘れ、仏像奉安室の静寂の中で畳に座ってゆっくりと仏様と対峙してみては、如何でしょうか?

魔王尊影向の大杉 毘沙門天三尊像(国宝) 聖観音立像(重文)

右 兜跋毘沙門天立像(重文) 居並ぶ毘沙門天立像